中日高橋周平内野手(22)が失策挽回のV弾を放った。2-2の6回に左翼への3号ソロで試合を決めた。直前の5回裏の守備ではトンネル。失点にはつながらなかったが、ピンチをつくっていた。今季成長株の5年目内野手が1発でミスを返上。チームを今季9度目の逆転勝利に導き、首位巨人とのゲーム差を1・5とした。

 時折、雨が強くなる中、高橋は笑顔でベンチのナインとハイタッチをかわした。汚名返上の1発だ。

 「(守備で)ミスをしたので、何とか切り替えて打席に入りました。ギリギリだったけど入って良かった。しっかり振ることができたので入ってくれました」

 頭をスッキリさせ、6回の先頭で打席に立っていた。直前の5回の守備で、1死から桑原の三塁ゴロをトンネル。再びDeNAに試合の主導権を渡しかねないピンチを招いていた。先発小熊が踏ん張り、失点にはつながらなかったが「ミスはミス。ただのエラー」と反省。ヒヤヒヤさせた分? 6日DeNA戦(ナゴヤドーム)以来、15試合ぶりに本塁打で“お返し”した。

 成長の跡が詰まった本塁打でもある。昨年まで17本塁打のうち、左方向のアーチは3本だけ。今季まだ3号だが、2本が左方向。確実にミートする力とパワーを備えてきた。しかも、今季3アーチはいずれも決勝打。「いいところで打てているので良かった」。いずれも小熊の登板試合で、しかも全て勝利投手をお膳立てするほどに相性がいい。

 開幕から6試合連続安打をマークするなど、シーズンが始まるとバットが爆発。高打率を残していたが、前日まで4試合で15打数2安打とプチトンネルにはまっていた。加藤チーフ打撃兼野手総合コーチは「(調子が)落ちかけているのに、強い糸でもついているんかな。崩れそうだけど、こびりついているな」と、高橋のはい上がろうとする姿に笑顔。この1本が、再び上昇気流に乗るきっかけにもなるはずだ。【宮崎えり子】