メンタリストTETSUTOだ。ヤクルト山田は相手の考えを読み切った。5回の第3打席、初球カーブがボールになった直後だった。「直球1本で狙ってました」と、内角直球をフルスイング。左中間への10号2ランにした。「樹理の初勝利のために、集中してました」。ルーキーのプロ初勝利を大きく引き寄せる特大アーチになった。

 試合前、フジテレビの企画でメンタリストDAIGOとの対面が予定されていた。以前、番組で共演し、相手の考えを鋭い観察眼で読み取ってしまうDAIGOの芸に興味を持っていた。手違いがあって実現せず「来られなかったですね」と残念そうに話したが、この日は山田がメンタリストそのものになった。

 3回の9号ソロは狙っていなかったものの、初球カーブに体が反応した。「そういうふうに間が取れる時は調子がいい証拠」と振り返った。その伏線があって、5回の打席では初球カーブがボールになった後の直球狙いとなった。10号は広島エルドレッドに並ぶリーグトップ。「心を1つに打線がつながるように心がけた」。先発全員安打のヤクルト打線。この日も山田がけん引した。