2季連続優勝を狙う道都大は、エース黒川雄太朗(4年=館山総合)が1安打完封の投球で白星発進。常時、球速140キロ近い直球に、右打者の外へ小さく沈むツーシームやスライダーも効果的で、毎回の14三振を奪った。

 2回無死満塁のピンチを脱してからは、三塁を踏ませなかった。無安打無得点のまま迎えた7回、先頭への初球を中前打され、記録こそ逃したものの「しょうがない。後半、体が温まってからは楽な投球が出来た」と笑顔を見せた。

 プロ入りへの思いが強い。昨秋の明治神宮大会が、将来の夢を明確にした。勝利目前の9回1死一、二塁でマウンドを降り、チームは逆転で初戦敗退。「少しでもプロへ行ける可能性があるなら上を目指したい」と考えるようになり、オープン戦では日立製作所やかずさマジック、駒大など強豪との試合で、あえて登板を志願。調整法を自分で考え、実践してきた。

 身長169センチ、体重73キロと体は小柄だ。夢実現のためには、全国区で実力を証明したいところ。「リーグ戦はもちろん、全国でもっとアピールしたい」。プロのスカウトのハートを、どうやって射止めるか。勝負の春が、幕を開けた。【中島宙恵】