勢いが止まらない。西武メヒアが5回にバックスクリーンへ12号勝ち越し3ランを放つと、6回には中村と2者連続、2打席連続13号ソロを左中間場外まで運び去る140メートル弾。ここ8試合で8発でキング独走だ。前日は1点差に迫りなお2死二塁で三振した。その悔しさもぶつけた。「毎日試合があるのが野球のいいところ。今週は6試合ある。挽回するチャンスがある。頭を切り替えて臨めたよ。2本目は飛んだと思ったね」と手応え十分だった。

 去年とは別人だ。昨季は5月4日時点で2割8厘、3本塁打、13打点と不振にあえいでいたのがうそのよう。今年は3割3分1厘、13本塁打、33打点で2冠だ。昨年は体重がベストを8キロオーバーで来日したが、今年は打撃マシンを買って振り込みベストの112キロでやって来た。

 田辺監督にも違いは歴然だ。「体に切れがあるからボールを引きつけられるので選球眼もよくなった。外のくそボールを振らなくなった」と言う。それだけではない。1日のソフトバンク戦では外角球を右翼へ、4日は外角低めカーブを引きつけ中堅へはじき返した。

 状態がいいから精神的に余裕もある。失敗も引きずらない。「精神的に強くないといけない。失敗したら仕方ない。とにかく今は打席で集中できている」。チームの連敗を2で止め、単独最下位のピンチを救った。【矢後洋一】

 ▼メヒアが12、13号と2打席連発。4月24日楽天戦からは8戦8発の固め打ちとなり、この間に打った8本はすべてデーゲーム。今季の昼夜別成績を出すと

<試合・打率、本塁打、打点>

 昼16・367、11、21

 夜15・295、2、12

 ナイターの15試合は2本塁打も、デーゲームは16試合で11本塁打の大当たり。現在、デーゲームの成績だけでも本塁打王だ。