阪神原口文仁捕手(24)が「シンデレラ」になりきっている。

 この日は先発メッセンジャーだが、これまでの岡崎に代わって先発マスクを託された。まずは打撃だ。4回、投手強襲の内野安打を放つと、6回には左翼線二塁打をマーク。2試合連続のマルチ安打を決めた。そして、守備で殊勲の働きを見せる。1点リードの8回無死一塁。大島が二盗を企てると矢のような送球でアウトにする。得点圏に進まれていたら、雲行きが怪しくなるだけに、好プレーだった。

 原口は「アウトになるのとセーフになるのと、かなり大きな違い。勝負どころで刺せて良かった」と胸を張った。育成選手から支配下登録に復帰したばかりだが、2試合連続でフル出場し、いずれも完封勝利。しかも、この日は1-0での守り勝ちだ。原口は「最後の1球まで、どうなるか分からない緊張感がある。勝ったときの喜びは大きい」とホッとした表情だった。

 これで4試合連続安打になり「打てる捕手」としてレギュラーも近づいてきた。金本知憲監督(48)はスタメン起用の理由を「メッセとも、組ませていかないといけないからね。俺もそうしたいと思っていて矢野とも話して、矢野も、その通り返事をくれた。(二盗阻止は)強肩じゃないけど捕ってからの速さ。セカンドベースへの左右のラインもずれない」と評価していた。