不名誉な記録を恐れない。今日10日の広島戦に先発するヤクルト新垣が9日、神宮こぶし球場で最終調整した。現在、98個の暴投を記録。最多の記録である148個の元ロッテ村田兆治氏、2位で115個の元西武石井一久氏に次ぎ、史上3人目の100暴投まであと「2」と迫った。「珍事ですけど、2人ともすごい投手。名誉だと思う。それだけ使ってもらっているということだと思う」と、意に介さないそぶりを見せた。

 攻めた結果ならば、仕方ないと考える。開幕から2軍調整を続ける中、投球スタイルの変化を模索した。三振を求め、バットに当てられることも嫌だった考え方から、ゴロでアウトを重ねる方法を選択。「今は150キロの速球も出ないし、スライダーのキレも昔ほどなくなった」と現状と向き合った。ストライクゾーンの際どいところを攻めた結果、「暴投」ならば甘んじて受け止める。

 通算1000奪三振も、あと「3」に迫った。それでも「取りません。狙わないです。1球でアウトになった方がいい。野手にもリズムが生まれる」とゴロピッチャーとして、勝負する。今季2勝目には、メモリアルな記録が生まれるかもしれない。【栗田尚樹】