覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手清原和博被告(48)の初公判が17日午後、東京地裁(吉戒純一裁判官)で開かれた。保釈後、公の場に初めて姿を現した清原被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役2年6カ月を求刑した。

 検察側は冒頭陳述で「遅くとも引退した2008年すぎから覚醒剤を使用するようになった」と指摘。「コーチや監督をしたかったが、引退後に声が掛からず、心の隙間を埋めるために使った」と供述した被告の調書内容を明らかにした。

 公判には弁護側の情状証人として、清原被告とは同学年で高校時代から親交がある元プロ野球選手で野球評論家佐々木主浩さん(48)が出廷。検察側が論告求刑し、即日結審する見通し。

 入廷した清原被告は青っぽいネクタイに、紺色のスーツ姿。一礼し、左手にハンカチを握って証言台に立った。良く通る低い声で氏名や住所を述べ、裁判官から職業を問われると「無職です」と答えた。佐々木さんは冒頭から入廷し、険しい表情で審理を見守った。

 元スター選手の姿を見ようと、用意された20席の傍聴券を求め、ファンら3769人が朝から集まり、約188倍の抽選となった。

 清原被告は2月2日に現行犯逮捕された。3月17日、警視庁本部から保釈された後、千葉県の病院に入院。この際、ファンらへのおわびのコメントを公表し「いつか機会をいただき、直接謝罪したいと切に願っています」と結んでいた。

 起訴状では<1>昨年9月1日ごろ、群馬県内のホテル客室で密売人とされる無職小林和之被告(45)=同罪で公判中=から覚醒剤1・2グラムを8万円で譲り受けた<2>今年2月1日ごろ、東京都港区のホテル客室で覚醒剤を使用した<3>2月2日、港区の自宅マンションで覚醒剤約0・2グラムを所持した-としている。

 清原被告はドラフト1位で西武に入団した1986年に新人王を獲得。96年にフリーエージェント(FA)宣言して巨人に移籍し、2004年に通算2千安打、05年に通算500本塁打を達成した。06年にオリックスに移籍、08年に現役を退いた。