ソフトバンクが両リーグ最速で30勝に到達した。2回に柳田悠岐外野手(27)が左中間に特大の7号2ランを放つなど、打線が今季4度目の2桁得点を記録。2位ロッテに快勝し、今季3度目の6連勝を飾った。交流戦前の最多貯金(16)が確定。セ球団との戦いでも、圧倒的な強さを見せそうだ。

 もはや首位決戦という表現は当てはまらない。度肝を抜く放物線がスタジアムの緊張感を解いた。柳田だ。2回にスタンリッジの甘い直球を見逃さなかった。フルスイングした打球は左中間の上段まで飛んだ。「芯に当たりました。しっかりとタイミングが取れて、バットが出たので」。7号の特大2ランで一挙5得点の猛攻を締めた。

 怪物の復活で、歴史的な快進撃はさらに加速した。柳田は6回にも右翼に二塁打を放ち、2安打3打点。昨年の大ブレークから、今季は徹底した内角攻めに苦しんだ。4月終了時点で打率2割3分6厘と低迷。しかし5月は違った。失投をしとめる打撃で、調子を上げた。月間打率は3割3分8厘で5本塁打、17打点。アーチを描けば、7戦全勝の神話も続行だ。

 復調は打線全体に波及効果をもたらす。工藤監督は言った。「当たれば、当たるほど、相手も警戒して四球もある。4、5、6番のつながりで得点も生まれる」。1、2番も同様だ。この日は1番城所が2安打、2番今宮は4号ソロを含む2安打4打点。打線が鮮やかにつながった。

 今季3度目の6連勝で、両リーグ最速の30勝に到達。貯金は「17」を数え、交流戦前の最多貯金でタイ記録以上が確定した(05年ロッテの16)。指揮官はナインの奮闘をたたえた。「ここが交流戦前のヤマ場と見ていた。いい戦いをしてくれた」。その強さは圧倒的。セ・リーグ球団との対決でも、猛威を振るう。【田口真一郎】