阪神が新外国人コーディー・サッターホワイト投手(29=エンゼルス3Aソルトレーク)と契約合意に達した。今日13日に獲得が発表され、阪神の支配下登録選手は上限の70人となる。救援陣が不安定な状況を受け、6月に入って補強策を本格化。長身193センチから投げ下ろす角度が魅力の右腕は今週中に来日し、順調なら7月にも1軍デビューする見通しだ。

 5位に沈み、交流戦でも停滞する阪神が打開策を講じた。チームの泣きどころであるリリーフ投手として、サッターホワイトに白羽の矢を立てた。球団関係者は「今週中に来られるんじゃないか。右のパワーピッチャー」と説明した。ここまで救援陣を整備できず、支配下登録選手を上限の70人にしてまでてこ入れする。

 サッターホワイトは193センチの長身右腕。メジャー経験こそないが、今季はエンゼルス3Aで18試合に救援登板し、3勝1敗、防御率1・80の好成績。25回で22三振を奪うなど、長身の角度ある球で空振りを奪える。150キロ近い速球のほか、ツーシームやスライダー、フォークなど変化球も駆使しながら投球術で抑えるタイプだ。マイナーでは201試合すべてリリーフで投げ、通算33セーブ。抑えも経験しており、リリーフのエキスパートだ。

 昨年11月には米国代表の一員として、プレミア12にも出場。日本戦に登板し、打ち込まれたが、適性ぶりを高く買った格好だ。チームは中継ぎ陣を強化する必要に迫られている。今季はマテオを守護神に立て、11セーブを挙げるが、5月中旬以降に大崩れ。5試合連続失点し、右肩を痛めて同28日に2軍降格していた。代役でクローザーを務める藤川も10日の日本ハム戦でレアードに逆転サヨナラ2ランを浴びてリリーフ失敗。ドリスも好不調の波があり、適役がいない苦境に陥っていた。

 球団は6月に入ってから急ピッチで補強対象を絞り込んでいた。すでに身分照会を行っており、今週中に来日予定。就労ビザ取得のほか、ウエスタン・リーグでの調整登板を重ね、順調なら7月に1軍昇格させる青写真を描く。タフな救援陣でなければ、接戦を勝ちきることもできない。セットアッパー、守護神の適性を見極めた上で、必勝リレーの一角に期待する。同一リーグ戦での逆襲に向けて、起爆剤に見込む。

 ◆コーディー・サッターホワイト 1987年1月27日、米ミシシッピ州生まれ。ヒルクレスト高在学中の05年ドラフトで、インディアンスの37巡目指名を受けたが入団辞退。ミシシッピ大時代の08年にドラフト2巡目でタイガースと契約。193センチ、107キロ。右投げ右打ち。

 ▼阪神が支配下選手の上限70人を登録するのは、12年以来4年ぶり。同年7月24日、育成選手のザラテ、玉置隆の両投手と支配下契約を結び、70人に達した。なお今シーズンの他球団で70人の支配下選手を保有しているのは西武だけ。最少はロッテの64人。