やはり並のルーキーではない。阪神ドラフト1位高山俊外野手(23)が初出場の球宴でダイヤモンドを駆け回った。5回1死、楽天則本の外角低め146キロ直球に反応。ワンバウンドで遊撃に高く弾んだ打球を、俊足で内野安打にした。

 「楽しかったですね。もう少し気持ちいいヒットを打ちたかったんですけど。全力疾走というのを言って臨んだので、そういう意味ではいいヒットだったかなと思います」

 記念すべき球宴初安打。今季リーグ1位の18本を放っている、高山の代名詞の内野安打でマークした。9番中村の打席でスタートを切り、「サインはなかったです」。炭谷の送球がワンバウンドとなりセーフ。1安打1盗塁。初めての夢舞台で、輝いた。

 ファン投票で選出された。「応援してくれるファンのため-」が口癖の高山はその理由を「高校からずっと思っていること。中学校まではチームの親御さんとかが応援に駆けつけてくれているという感じでしたけど、高校ではその高校を応援してくれているOBの方々がいて。そういった素晴らしい経験を高校からできていたんで」と説明する。日大三から明大。名門校で野球を続け、常に注目を浴びてきたからこそ、第一にファンのために野球をする。そんな心意気がある。

 試合前には、藤浪とともに、ヤクルト山田に質問をぶつけた。どうやってヒットを打つんですか-。「高山も一緒でしょ? 真っすぐにタイミングを合わせてグッとボールに入っていく感じでしょ」と答えをもらった。初めての球宴は高山にとって、最高の場所になった。【梶本長之】

 ▼第1戦は新人の高山(阪神)が1安打、1盗塁で戸柱が適時安打。新人の安打は13年大谷(日本ハム)以来で、新人の盗塁は97年小坂(ロッテ)以来、19年ぶり。阪神の新人では69年田淵、80年岡田に次いで3人目、DeNAの新人では59年桑田以来2人目の安打だったが、ルーキー2人が安打を記録したのは球宴史上初めて。