ハマの守護神の登場に、横浜スタジアムが最高潮に達した。5-5の9回、全セのDeNA山崎康晃投手(23)が真っ赤なリリーフカーで登場すると、恒例の「ヤスアキ・ジャンプ」が起こった。試合前「今日はパのファンの人もしてくれることを期待しています」と願った通り全員が跳びはねた。

 夢に見た光景に力をもらい、投球でも沸かせた。先頭浅村に中前打を許したが、今宮を二ゴロに仕留めた後は2者連続空振り三振。この日は最速151キロで「気持ちを込めたらあそこまでいける。あれだけの(大歓声の)中でできたのは大きい」と喜んだ。

 4年後の侍ジャパン守護神の有力候補だ。20年東京五輪は慣れ親しんだマウンドが金メダルを争う夢舞台になる可能性が高い。山崎康は1年目の昨季は37セーブで今季もここまで20セーブ。縦に鋭く曲がるツーシームと強心臓が武器で、この日も「球宴ならではのボール。40、50歳まで長くやりたいから」と普段は封印するナックルを試投する度胸がある。

 DeNA池田社長は試合前、一塁側ベンチ前からスタンドを見上げ「普段の試合とは違う雰囲気。いろいろな未来が想像できる」と目を細めた。この日、日本のプロ野球ファンは山崎康の快投を期待し、心ひとつに跳びはねた。20年夏に再びハマスタを熱狂させる。【浜本卓也】