逃げるソフトバンクを日本ハム、ロッテが追い上げ、優勝争いが盛り上がるパ・リーグで、最下位オリックスと5位西武は自力CSの可能性が消滅した。オリックスは4連勝中と息を吹き返した西勇輝投手(25)が6失点して9敗目。ソフトバンクから26ゲーム差と、遠かった背中がかすんでみえなくなった。

 パ・リーグ最下位のオリックスが競り負け自力でクライマックス・シリーズに進出する可能性が消滅した。ここまで4連勝と乗りに乗っていた先発西が7回1/3を投げ8安打を浴びて大量6失点。打線は6回に下位からの連打でチャンスをつくると、安達の右前適時打や、代打川端の左前適時打などで1度は同点にする粘りも見せたが結局、競り負けた。

 「最少失点で粘りたかったけど粘りきれなかった。信頼して使ってもらっているのに申し訳ない。力不足です。実力をつけて次につなげたい」。5連勝とはならなかった西は神妙な表情で話した。5回に田村の二塁打で1失点した後、2死までこぎつけたが1番加藤を歩かせ、荻野に中前への2点適時打を浴びた。同点にしていた8回には1死二塁からデスパイネを歩かせ、代打根元に中前への決勝打を許した。

 「あの2つの四球がもったいなかったかな。1点を取られるのをいやがったというか慎重になりすぎたというか…」

 福良監督からすれば自身の誕生日だった先月28日楽天戦で白星をプレゼントしてもらって以来、4戦4勝と貴重な働きを見せていただけに、右腕の投球がもったいなく見えて仕方がない様子だ。

 この敗戦で今季ワーストの借金「21」に逆戻りした。この時点で自力でのAクラス入りも消えてしまった。指揮官はその事実に「なんとか勝てるようにやっていきたい」と懸命に話すしかなかった。【編集委員・高原寿夫】