巨人菅野智之投手(26)が痛恨のプロ初体験に直面し、首位広島から連勝を奪えなかった。怒りが沸点に達した。3回の投球を終え、グラブをベンチに投げつけた。2死から田中に甘いスライダーを右翼席に先制ソロを放り込まれた。気持ちを沈めて後続を断った。だが6回は外角の153キロのワンシームを巧みに左翼席へ。プロ入り後初めて、同じ打者に1試合2発を献上し、ぼうぜんとした。

 「2本目はしょうがないにしても1本目は2死。注意しないと」。7回2失点。結果だけ見れば、2本だけ。だが東海大相模(神奈川)、東海大の同級生から浴びた2アーチは重たすぎた。「あいつには打たれたくない気持ちで挑んでいる。ただ、あいつとだけ勝負していない」。昨季は18打数7安打と痛打されたが、今季は試合前まで4打数無安打。最近の優位性が突如、崩れた。

 田中以外には圧倒した。全99球中33球で150キロ超え。初回2死三塁、ルナに155キロをたたき出した。昨年のプレミア12のメキシコ戦で出たプロ入り後の最速を巨人でマーク。4月下旬以来となる中5日も心身が充実していた。「(広島を)倒さないと優勝はない。勝負どころだし、中5でも4でもフルで回る覚悟は持っている」。試合前の決意を投球で体現した。

 広島とは再び10ゲーム差。痛い黒星も10試合の直接対決を残す。エースは中7日で5日の広島戦に臨む予定。「来週やり返すチャンスはある。やり返したい」。プライドにかけてリベンジする。【広重竜太郎】