日本ハム栗山英樹監督(55)が、劇的勝利に感動した。試合前に「マイナス0・5ゲーム差」で追う、首位ソフトバンクが大勝。敗れれば首位争いから後退ムードが漂う一戦で、劣勢からドラマが起きた。3点を追う5回にレアードが、今季初の満塁本塁打で逆転。不調の先発高梨が6回途中まで投げ切り、中継ぎ陣でしのいで迎えた9回にサプライズ。風邪の症状でスタメン起用を控えた大谷が代打本塁打、続く中田が2者連続のアベック弾のソロで畳みかけた。

 指揮官は、うなった。「すごいよね。すごい」と、余韻に浸った。首位に立って迎えた前夜は西武に完敗し沈滞ムードだったが、一掃した。低迷気味だった中田が猛打賞、中島も2安打し、絶好調だった高梨が持ちこたえて8勝目を挙げた。「ソフトバンクも大勝していて…。この試合は意味を持つと思っていた」と、価値がぎっしり詰まって白星に感慨に浸っていた。ピタリと、ソフトバンクとの優勝争いを追走する。