西武は3日、球団OBの辻発彦氏(57)の監督就任を発表した。

 西武は今季リーグ最多の101失策などミスが敗戦につながることが多かった。豪快な打力が持ち味のチームに、競り勝つそつのなさを加えることが期待されている。

 球団は新監督の条件を「球際に強いチームをつくってくれる人」としていた。

 辻監督は打撃で首位打者、守備で8度のゴールデングラブ賞を獲得し、通算242盗塁。選手時代からあらゆる局面で細かいプレーに目配りのできる存在だった。

 そつのなさと勝負師ぶりを強く印象づけたのは1987年の巨人との日本シリーズ。第6戦の8回、相手の隙を突いて一塁から単打で一気に生還し、脚光を浴びた。

 「球際は選手一人一人の気持ちだと思う。実のある練習の中から実力を付けていってもらいたい」と練習からの意識付けを強調する。

 投手陣の整備という未経験の課題はあるが、まずは野手陣の意識改革が仕事となる。秋山、浅村、中村らを擁する打線の力は球界屈指。そこに「球際」の意識を浸透させ、新たな黄金時代の土台とできるか。