巨人加藤健捕手(35)が来季の構想から外れていることが14日、分かった。引退表明した鈴木尚広外野手(38)に次ぐチーム在籍18年目のベテランだったが、今季は若手の小林誠が正捕手に定着するなど出場2試合にとどまっていた。現役続行への思いが強く、新天地を追い求めることになる。

 長年、阿部が正捕手に君臨してきたこともあり、在籍期間の1軍出場は185試合。だがチームメートから信頼され、愛される捕手だった。投手とのコミュニケーションは深く、特に内海とは名コンビだった。昨年9月13日、大竹寛が先発したDeNA戦では前日のクロスプレーで肋骨(ろっこつ)骨折を負いながらもケガを公にせず、完封勝利に導く骨太な選手だった。チーム内からは「9月のカトケン」「困った時のカトケン」と称された。人柄もよく、今季は選手副会長も務めて、チームを縁の下で支えた。

 巨人への愛着も強いが、昨季は自身最多の35試合に出場し、CSファイナルのヤクルト戦にも先発出場するなど現役への思いも強まっている。野球への情熱が衰えないカトケンが現役続行の道を探る。

 ◆加藤健(かとう・けん)1981年(昭56)3月23日、新潟県生まれ。ソフトバンク松坂と同学年の「松坂世代」の1人。新発田農3年の春夏甲子園に主将で出場。98年ドラフト3位で巨人に入団。186センチ、93キロ。右投げ右打ち。