ヤクルト押尾健一戦略コーチ兼スコアラー(45)が、来季から1軍投手コーチを兼務するプランが浮上していることが16日、分かった。高津臣吾1軍投手コーチ(47)が、来季から2軍監督に配置転換される見込み。伊藤智仁1軍投手コーチ(45)、石井弘寿2軍投手コーチ(39)の2人体制で1軍投手コーチを務めることが内定している。球団関係者は「押尾コーチには2人とともに、いろんな角度から選手にアドバイスを送ってほしい」と、投手陣の再建を期待している。

 チームは今季、12球団ワーストの防御率「4・73」と不本意な成績をマーク。連覇を逃した原因でもあった。先発陣は石川、小川の8勝が最高。46年ぶりに2桁勝利投手が現れなかった。杉浦、館山、15年ドラフト1位の原樹なども故障で、先発ローテーションを守れなかった。早急の課題として、投手陣のテコ入れは言うまでもない。

 押尾氏は現役引退後、打撃投手兼スコアラーに就任。的確なアドバイスには定評があり、選手だけでなく、首脳陣の信頼も厚い。真中監督からの要望を受け、今季からは新設された戦略コーチに就任した。冷静な頭脳を発揮し、来季の雪辱に一役買う。

 ◆押尾健一(おしお・けんいち)1971年(昭46)7月3日生まれ。千葉県出身。成東(千葉)のエースとして89年夏に同校を甲子園初出場に導いた。同年ドラフト4位でヤクルト入団。通算2試合、0勝0敗の防御率4・50で99年に引退。00年に打撃投手兼スコアラーに就任。今季から新設された戦略コーチに抜てきされた。188センチ、83キロ。右投げ右打ち。推定年俸1400万円。