プロ野球ドラフト会議が今日20日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで開催される。全12球団がリストアップする新潟医療福祉大の左腕笠原祥太郎投手(4年=新津)の指名が有力だ。指名されれば創部4年目の同大、そして県内の大学では初となる。笠原も全球団の指名を受け入れる意向で、プロ入りの扉が開かれる瞬間を待つ。

 期待と不安が入り交じる。「どきどきしますね。練習にも身が入らないと思う」。笠原は苦笑いしながら、ドラフト会議当日の自分の様子を想像した。

 22日には、雨天順延になっていた関甲新学生野球秋季1部リーグの白鴎大戦がある。そのため、ドラフト当日も午後4時20分まで授業を受けた後、いつも通りに練習を行う。

 会議は午後5時開始予定。「正直、白鴎大戦よりも、ドラフトの方に意識が…」。気にならないわけがない。大学側ではクラブハウスに記者会見場を設置。指名があり次第、笠原が呼ばれる手はずになっている。

 最速147キロの左腕に全12球団が熱視線を送る。夏場には米国大リーグのレイズとアストロズも注目した。ドラフト前最後の登板だった上武大戦(15日)は0-1で敗れたものの、5安打10奪三振で完投と内容のあるピッチングで締めくくった。

 秋季リーグの個人成績は16日現在で1勝6敗、防御率4・03。6勝、防御率0・72でベストナインに選出された春季リーグと比較すると数字では見劣りする。

 注目度が高まる中、「結果を出さなければ、と意識し過ぎた」と自己分析する。「もうやれることはない」。人事は尽くした。あとは天命を待つだけだ。

 同大の佐藤和也監督(60)は「秋季リーグは出し切れなかったが、力は伸びている」と評価する。続けて「県内の大学からプロ入りする選手が出れば、後進にも好影響を与える」と、指名されることの意味の大きさを言葉にした。

 同大野球部1期生として4年間を過ごし、大学球界屈指の左腕に成長。そして迎える運命の日。「プロで野球をやりたい」。笠原の気持ちは高まっている。【斎藤慎一郎】

 ◆笠原祥太郎(かさはら・しょうたろう)1995年(平7)3月17日、新潟市生まれ。結小2年時に荻川スポーツ少年団で野球を始める。新津二中、新津高と投手。高3の夏の県大会は2回戦で敗退。新潟医療福祉大に進み、2年生の秋季リーグの群馬大戦でノーヒットノーランを達成。今年の春季リーグでは6勝、防御率0・72で最多勝、最優秀防御率を獲得し、ベストナインに選ばれた。好きなプロ野球選手は西武菊池雄星。177センチ、85キロ。左投げ左打ち。血液型A。