久保田の「目」で金本虎の情報力を超変革!! 阪神が来季2軍戦でスコアラー制を本格的に導入することが27日、分かった。今季まで打撃投手を務めた久保田智之氏(35)が2軍のスコアラーに配置転換される方向であることも判明。1、2軍が共通のデータを用いて2軍選手が1軍昇格時に戸惑わずに活用できるようにするのが最大の目的だ。今年の交流戦後から試験的に2軍戦のホーム試合でスコアラーを配置していた。阪神が2軍にスコアラーを常設するのは初めて。

 若虎の徹底的な強化を図る阪神が前例のない育成システムを採り入れる。来季から2軍公式戦でも、スコアラーを常設するもの。今年の交流戦明けから試験的に導入していたが、17年は開幕から本格稼働。今季まで2年間、打撃投手を務めた久保田氏を“登板”させるプランが浮上する。

 6月の2軍中日戦(甲子園)で嶋田スコアラーが参戦し、自軍や相手チームのデータ収集を行った。その後も1軍スコアラーが2軍戦に出向いていた。球団関係者は「まずデータ収集から行うということ。2軍選手が1軍に上がったときもスムーズに使えるように。今まではない」と言う。

 2軍は今季から掛布体制になり、118試合で57勝54敗7分けの3位だった。開幕直前の3月には掛布2軍監督の要望で「1軍スコアラー講座」が開かれた。ミーティングでは試合映像も用いてスコアラーが1軍と同じ流れで情報処理についてレクチャー。球団関係者は「1軍ミーティングがどんなものか知らない選手もいる」と説明していた。

 2軍の新たな「目」になるのが、久保田氏だ。10月のみやざきフェニックス・リーグでも配球図のつけ方などを練習したという。現役時は鉄腕セットアッパーとして活躍。07、08年には最優秀中継ぎ投手賞にも輝いた実績の持ち主だ。通算444試合に投げ、数々の修羅場をねじ伏せた「視点」は戦力だ。他球団はすでに採用する2軍のスコアラー常設。今季、2軍から若手を積極的に起用してきた金本阪神は「脳力アップ」を図り、底上げを目指す。