巨人高橋由伸監督(41)が1日、5日から始まる宮崎秋季キャンプのテーマに若手の底上げを挙げた。この日、発表されたキャンプメンバーに、育成選手9人を選出。昨年は1人だったが、大幅に増えた。高橋監督は「この1年やってきて、若手の底上げがさらに大事になってくると思った」と説明。“下克上キャンプ”から、17年シーズンのサバイバルが幕を開ける。

 指揮官の言葉通り、顔触れも大きく若返った。昨年は当時33歳だった内海、亀井らを年長者に、30代の選手が8人参加したが、今年はリハビリも視野に入れた杉内のみ。最年少は高卒ルーキーの橋本篤、与那原で、平均年齢は24・4歳とフレッシュなメンバーで構成された。「あまり見てない選手もいますし、ゆっくり見られたらと思います」と狙いを語った。

 投手陣のメンバー選出にも、首脳陣のメッセージが込められた。投手13人のうち、6人が左腕。9年連続60試合登板を達成した山口は健在だが、ポスト山口の育成も課題の1つで、今秋のキャンプで候補を発掘する。外国人選手では異例ともいえるアダメス、ソリマンの育成2投手も参加。「育成の秋」として、鍛錬を積む。

 選手たちの意気込んだ表情が全てだった。育成2年目の篠原は「ラストチャンスのつもりでやります」と気合十分。橋本篤は「こういうチャンスをもらえて、うれしい」と気持ちを高ぶらせ、増田も「全ての面でレベルアップして、アピールしたい」と力を込めた。高橋監督は「戦力になりそうな選手がいれば」と期待感たっぷりで秋キャンプを迎える。【久保賢吾】