ヤンキース田中将大投手(28)とドジャース前田健太投手(28)が、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場に前向きな意向を持っていることが10日、分かった。侍ジャパン小久保裕紀監督(45)の構想に入っていることが確実な2人は、日の丸に対する強い誇りを持っている。チームはこの日、メキシコとの強化試合(東京ドーム)に3-7で敗戦。安定感抜群の2人が加われば、この上ない力になる。

 マー君が侍の救世主になる可能性が出てきた。田中は今季、ヤ軍トップの14勝をマーク。防御率3・07と抜群の安定感を誇った。関係者の話を総合すると年間通して先発ローテを守ったが、体調面の状態は非常にいいという。加えて、日の丸を背負ってプレーすることに誇りを持っており、WBC出場に前向きな意向を持っているという。出場が実現すれば、3大会連続のWBCになる。

 侍の力になりたい。強い気持ちは前田も同じだ。この日はメキシコ戦のゲスト解説で東京ドームに来場。選手と和やかに話し込んだ。試合中にWBCについて問われ、「日の丸を背負うのは光栄なこと。出たい気持ちはもちろんあります。前回は悔しい思いをした。最後に負け投手になってしまったのが僕だったので」と力強く話した。

 世界一奪還のために、先発の軸となる2人は、何としても招集したい。メキシコ戦の完敗が教えてくれた。この日先発した武田、2番手の千賀は慣れないWBC球の制御に苦労した。四球、暴投、2死からの本塁打と、犯してはならないミスで失点を重ねた。中南米選手特有の大きなフォロースルーで、外野深くまで運ばれる場面も目立った。猛者との勝負に身を投じ、結果を出している2人は、国際試合の勝ち方を熟知している。

 この日、東京での1次、2次ラウンド日程が発表された。9日間で6試合をこなす強行軍。小久保監督は「先発は中4日では回せない。8人、必要になる」と話した。質の高い先発陣をそろえるべく、2人の招集を構想に入れている可能性が極めて高い。正式にオファーを出した際は、田中が所属するヤ軍、前田が所属のド軍との交渉、承諾が必要となる。日の丸への強い思いが届くか。