楽天秋季キャンプ初の紅白戦が12日に行われ、白組の4番で出場した内田靖人内野手(21)が2回、左翼スタンドに豪快なアーチを放った。初球のスライダーを空振りした2球目、紅組ソンの内角高めの速球を振り抜く。「100点の当たり。強いスイングができた」。自画自賛の1発だった。

 迷わず、自分のスイングを貫くことで、内田らしさが戻ってきた。3年目の今季は、プロ初アーチを含む2本塁打と和製大砲の片りんを見せた一方で、58打席で27三振と粗さも露呈。結果が出ず、悩んだ時期もあったが「当てにいっても内野ゴロにしかならない。僕のような打者は、しっかりバットを振らないと相手に怖がられない」。最大の武器を生かす道を選んだ。栗原2軍打撃コーチも「実戦は1球、1球違う。フリー打撃で自分の状態をしっかり把握し、8割、9割はしっかり捉えるくらいでないと、打撃の確実性は上がらない」と指摘する。全ては期待の表れ。若き大砲はこの秋、打撃の完成度を高め続ける。【田口元義】