寝ても、覚めても、WBCだ! ヤクルト山田哲人内野手(24)が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)モードに突入した。侍ジャパンの強化試合を終え15日、埼玉・戸田で行われている秋季練習に合流した。来年3月からの本番へ向けて自宅でWBC球対応に励むことを明かした。肉体改造もプラスさせ、世界で戦える下地を築く。

 山田は既に、世界で戦う準備を始めていた。侍ジャパンで感じた「世界」。まずは手元から、守備の下地を築く。「(NPB球と比べ)WBC球はやっぱり滑るし、少し大きいと感じた。今回、何球かもらいました。練習とかで使わなくても、家とかで触っているだけで違いますよね」。テレビを見ながら、あるいは就寝前のベッド。暇さえあれば手になじませる。来年3月の本大会まで、限られた時間を無駄にはしない。

 世界に通ずるパワーも追い求める。メキシコ、オランダとの強化試合を経験し「外国人はすごいですよ。めちゃくちゃ振るし、体もえぐい」。180センチ、76キロの山田にとって、世界との壁は大きく感じた。その上で肉体改造に踏み切る。「僕の持ち味はスピード。そこを落とさずにパワーアップしたい。瞬発系のトレーニングをしていくことで、自然に体重もつくと思う」。チーム練習以外で、トレーニングジムにも通う。

 強化試合では、本職の二塁以外に三塁の守備にも就いた。守備で感じた送球や捕球などの課題-。WBC球へのアジャストは、自宅での“自主トレ”で解消する。打撃では、13日のオランダとの最終戦で、ようやく初安打。強化試合では本来の輝きを放つことができなかったが、本番では、史上初の2年連続トリプルスリーの力は、侍ジャパンの大きな武器になる。そこに上積みされるパワーアップされた体。家でも外でも「WBC」モード。この日、日本一になった母校・履正社の後輩に負けていられない。侍の主軸を担う24歳が、さらにスケールアップする。【栗田尚樹】