阪神が来季の守護神候補として、ローマン・メンデス投手(26=レッドソックス傘下3A)と合意に達したことが17日、分かった。150キロを超す直球が武器で、スライダーもキレ味が鋭い。今季はメジャー登板がなかったが、3Aで32試合に登板。64回で59三振を奪った。近日中にも正式契約を交わし、球団から発表される見通しだ。

 阪神がリリーフ陣を増強する。ドミニカ共和国出身右腕のメンデスと、この日までに合意に達した模様だ。近日中に正式契約を交わし、球団側から発表される見通しだ。

 150キロを超す直球とスライダー、チェンジアップを投げる。球界関係者は「ストレートが8割で、力で押すタイプ。制球がいいタイプではないが、荒れ球も魅力ではないか」と話す。14年にメジャーデビューを果たすと、翌年には15試合に登板した。今季は3Aで1年を過ごし、32試合で防御率3・38。64回で59奪三振とイニング数に迫る数字を残している。

 金本阪神1年目はリリーフ陣のやりくりに苦しんだ。特に前半戦に逆転負けを喫する試合が目立った。マテオは20セーブを挙げたが、好不調の波があった。当初は先発ローテーションに入っていた藤川を起用するなど日替わり守護神と苦しい台所。セットアッパー陣も今季限りで引退した福原が本調子を欠き、勝利の方程式が固まらなかった。

 ブルペンの底上げは来季への課題で、秋季キャンプでは左腕の岩崎をセットアッパーに抜てきする構想が浮上。藤川や安藤らベテラン陣に加え、石崎や松田ら若手の成長にも期待。メンデス加入の外国人もミックスし、戦力の整備を図る。

 来季優勝を目指す阪神は補強に乗り出し、オリックスからFA宣言した糸井と獲得交渉中。ドラフトでは大砲候補の白鴎大・大山悠輔内野手(22)を1位指名した。金本監督は「投手は外国人でも失敗が少ないから補える」と話す。その言葉通り、来季の外国人編成は投手に比重を置いている。メッセンジャー、マテオが残留確実。右肘痛で帰国したドリスもその能力を評価し、契約延長を検討している。メンデスの獲得により、ブルペンの駒不足は解消されそうだ。

 ◆ローマン・メンデス 1990年7月25日、ドミニカ共和国生まれ。07年にレッドソックスと契約。10年のシーズン中にレンジャーズに移籍。14年にメジャー初登板を果たし、同年30試合に登板。15年途中にレンジャーズに復帰した。今季はレッドソックス3Aのみで32試合に登板し、4勝2敗2セーブ、防御率3・38。メジャー通算45試合、0勝2敗0セーブ、防御率3・09。191センチ、107キロ。右投げ右打ち。

 ◆虎の外国人事情 今オフに助っ人の再編に動いた。3年間在籍したゴメスが不安定な打撃を理由に来季の契約を結ばなかった。ヘイグ、ペレス、サターホワイトの退団も発表。来季はメッセンジャー、マテオ、メンデスの3投手が確定。ドリスの契約延長も検討されている。野手では打てる三塁手を中心に調査を継続。元楽天ケーシー・マギー内野手(34)らをリストアップしているが、絞り込みに時間がかかる恐れがある。