ロッテの新選手会長がファン拡大へ向けた“公約”を表明した。角中勝也外野手(29)が18日、郷里の石川県を訪れ、来季から選手会長に就任することを明かした。球団に対し、プレー環境改善を求めることを約束。さらに、05年以来となる地方での主催試合開催へ向けても働きかけていく。

 生まれ育った故郷で、角中は新たな決意を抱いた。今季は自身2度目となる首位打者に、初の最多安打の活躍。石川県庁を訪れ、県のスポーツ特別賞を贈られた。プロ11年目の来季から選手会長となることを明かし「引っ張っていかないといけない」と自覚を口にした。「ユニホームを着ている間はキャプテンが引っ張る。選手会長は、みんなが野球をやりやすい環境にすること。設備面などはお金がかかるけど、球団に言っていきたい」と表明した。

 プレーだけじゃない。ファンサービスも「協力できることは基本的にやっていきたい」と約束した。その一環で、石川県出身の角中ならではのアイデアがある。地方での主催試合の復活だ。「チャンスなんですよね。北陸でくくれば、結構いる。復活するなら今ですよ」と力説した。

 石川県は角中、田中靖、岩下。富山県は石川、西野。ご当地選手は多い。ロッテの地方での主催試合は、05年が最後。それまでは北陸シリーズが定番だった。角中自身も少年時代の思い出だ。「石川県立野球場でロッテ対ダイエー戦を見ました。ロッテがガムを配っていた。地方は年に1回あるかどうか。子供の記憶に残る」と利を説いた。

 谷本知事からは、3度目の首位打者をとハッパをかけられたが「個人タイトルは要らないです。まだ優勝していない」とキッパリ。欲しいのは、チームとしての栄冠だけ。そのためにも、選手会長の務めを果たす。【古川真弥】

 ◆ロッテの地方主催試合 05年7月26日(金沢)同27日(富山)の西武戦を最後に、10年以上、行っていない。球団関係者は「千葉県での地域密着を優先した結果」と説明。地方球場ではないが、今年7月には千葉移転25周年を記念して初めて東京ドームで主催(ソフトバンク戦)。チケットは前売りで完売した。