広島独走代はきっちり返す。中日大野雄大投手(28)が18日、20%減の推定年俸8640万円で契約更改した。昨年は1億800万円まで上がったが、1年で大台割れ。広島戦で1勝4敗、防御率7・36と“神られ”た代償は大きかった。

 金額に文句は言わない。会見すべてがリベンジ宣言だった。矛先は広島に向けた。「(苦手なDeNA)筒香もそうですけど…やっぱり広島です。苦手なイメージはなかったけど、防御率はあり得ない数字。普通に甘かった。ギャフンと言わせたい。今年の大野は違うぞと思わせる。手も足も出ないくらい抑えたい」とまくし立てた。

 初の開幕投手を務めたが、左肘痛で4月から約1カ月半離脱。7勝10敗に終わり、2桁勝利も3年連続で途切れた。シーズンを通して安定感を欠いた。

 7月19日の広島戦では11失点の屈辱を味わった。「カープにはいっぱいいる。3割5分以上が」。大野との対戦打率は鈴木の6割2分5厘、石原の5割5分6厘、新井の5割4分5厘、丸も3割8分5厘。思い返すたびに悔しさに震える。

 先日、岩瀬らが通う鳥取のトレーニング研究施設を訪れ、股関節、肩甲骨の使い方に新たな発見があった。年明けも当地で自主トレを行う。「オフにパワーアップして、普通に投げれば抑えられるでしょう」。日本シリーズを見て悔しさを募らせ、対策を頭に巡らせているという。王者広島を黙らせることが大野の燃料になっている。【柏原誠】