日本ハム西川遥輝内野手(24)が11月30日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、来季年俸が1億円(推定)に到達した。高卒野手7年目で年俸が大台を超えるのは、2014年の中田と並んで球団史上最速記録。だが昇給分の使い道も「来年活躍できれば何かご褒美をしたい」と浮かれることなくキッパリ。来季は外野手登録に変更される方針で、オフは無休でトレーニングに励むことを誓った。

 持ち前の派手さはなかった。来季年俸が1億円に到達した晴れやかな会見を、西川は“地味”に終始した。「1つの目標ではあった」と語ったが、「まだ1年だけ。来年1年活躍できれば何か(自分に)ご褒美をしたい。もらって当たり前くらいの選手になりたい。まだ第1段階みたいな感じ」。芽生えた責任感と来季へ懸ける意気込みが、浮かれる気持ちをのみ込んだ。

 今季は交流戦明けから成績が右肩上がりで急上昇。打率はリーグ2位の3割1分4厘、出塁率も同4位の4割5厘、さらに同3位の41盗塁と、トップバッターに定着しチームに大きく貢献した。長打を追い求めず、確実性を高めた打撃スタイルを確立。「ベースはそこ」としながらも、日本シリーズ第5戦で放ったサヨナラ満塁弾のような一撃を「プラスアルファ」にして、来季はさらに相手チームから恐れられる存在になる。

 高卒7年目で年俸が大台に到達するのは、野手では中田と並んで球団最速記録。来季は登録が外野手に変更される方針で、「1日丸々休むことはないです。プロに入って一番しんどいオフになると思う」と、無休で自分をいじめる覚悟を決めた。

 更改直後に札幌市内で行われたイベントでは、集まった800人のファンのうち8割以上が女性。抽選で行われた撮影会では、女性ファンの肩に手をまわすサービスで会場は絶叫に包まれた。同所では毎年行われているイベントだが、関係者によると「ダルビッシュ投手がメジャーに行く前年のときと同じくらい人が集まっています」。球界屈指の色男だが、クリスマスも「休みません」と気持ちは来季に向いている。

 色紙にしたためた目標は「開幕スタメン」だが、これも“地味会見”のひとつの演出? 島田球団代表も「ウケ狙いじゃないの? ふざけるなって」と苦笑い。走攻守、すべてでタイトル争いができる能力は証明済み。来オフは札束が飛び交う!? ド派手な会見にする。【本間翼】

 ◆日本ハムの主な高卒野手1億円プレーヤー 14年に7年目の中田が8500万円から1億5000万円にアップし、高卒野手では球団史上最速の1億円到達となった。08年森本稀哲が10年目(6500万円→1億3000万円)、09年田中賢介が10年目(7500万円→1億4000万円)、96年田中幸雄が11年目(9000万円→1億3000万円)、10年高橋信二が14年目(7200万円→1億2000万円)で大台を突破した。投手では07年ダルビッシュ有が4年目(7200万円→2億円)、大谷翔平は3年目の15年に1億円、16年に2億円に到達した。