プレーバック日刊スポーツ! 過去の12月21日付紙面を振り返ります。2013年は、広島前田健太投手のメジャー挑戦をカープ女子も公認したという話題でした。

 ◇ ◇ ◇

 カープ女子もメジャー行きを公認! 広島前田健太投手(25)が20日、東京・銀座の広島ブランドショップでOBの大野豊氏(58)らと「広島カープ女子会2013」を行った。10日の契約更改交渉でも伝えた来季以降の海外挑戦への思いを、堂々とファンに訴え、大きな拍手を浴びた。また来季は23年ぶりのV奪回を宣言。重要な要素のひとつにカープ女子の増加を挙げた。

 7倍の高倍率をくぐり抜けて集結した70人のカープ女子たちを前に、前田健が宣言した。「(メジャーに)行きたい気持ちは正直ある。近いうちに、できるだけ自分がいい時、ベストの時に行けたら」。真っ赤なユニホームを着たファンたちは、黄色い歓声と大きな拍手でそれに応えた。「これまでもファンの人から『国内で移籍するならメジャーへ行ってほしい』と言われたことがありましたし。温かい声をもらって、うれしいです」。好意的な反応を間近で見て、思わず笑みがこぼれた。

 その前に、やらなくてはならないことがある。優勝と「カープ女子増加計画」だ。この日も「女子会を意識してきました」とピンクのシャツを着て登場。ボトムスにはホワイトベージュのズボンを合わせ、高級ブランドのジミーチューの黒い靴は石田純一ばりに素足で履きこなした。「大事な足が冷えるだろ」と大野氏に突っ込まれながらも、会場の視線はくぎ付けだった。「男性は女性の声援が力になるもの。選手はもちろん。だから、女性にももっと球場に来てほしいです」。カープ女子を増やす具体策を問われると「もっと堂林あたりを前面に押し出すべきですよ。そのためには打てばいいんですよ」と後輩をプッシュしながら、優勝へ向けカープ女子の増加が不可欠だと語った。

 もちろん、海を渡る挑戦は早くても来オフの話。「来年はカープと契約しましたし、優勝に向けて頑張ります。20勝できるように頑張ります!」ときっちり締めたエースは、最後まで心をつかんで離さなかった。

 ■カープ女子 東京ドームや神宮など関東の球場で広島を応援する女性の総称。10年には球場アルバイトで知り合ったカープファンの女子大生2人がフリーペーパー「Capital」を立ち上げるなどして、じわじわ広がり始めた。前田健や野村、堂林、丸といった若手イケメン選手の台頭と合わせて規模が拡大。16年ぶりAクラス進出を果たした今季は、ちょっとした社会現象として取り上げられた。初出場したCSでもファーストステージの甲子園の半分近くが赤く染まり、阪神関係者も驚いたほど。ファイナルステージ進出を決めると、東京・銀座の広島県のアンテナショップにはカープグッズを求める行列ができた。

※記録と表記は当時のもの