強竜ユニホームの復活だ! 中日は12日、新人選手の入団発表会見と、新ユニホームのお披露目会を行った。基調の色を「ドラゴンズ・ブルー」といわれる球団旗と同じ青に6季ぶりに戻したが、印象は落合博満監督(現GM)時代の04~11年に着用したものとそっくり。8年間で4度リーグ優勝した強い時代を象徴する縁起ものをまとい、最下位からの逆襲を期す。

 ルーキーたちが登壇すると会見場がざわめいた。鮮やかな青。どこか懐かしく、どこかで見たようなデザイン。在任8年間で4度のリーグ優勝と日本一にも輝いた、まさに落合監督時代のものを想起させた。

 球団関係者は「総選挙では落合さんの頃のユニホームが1位だったので」と説明した。球団が今年初めて実施した歴代ユニホーム総選挙。20種の中で1位と圧倒的な人気だった。末広がりのラインや、胸の字体は復活しなかったが、全体的な印象は落合ユニだ。今回、最終的に残ったデザイン3つの中には、落合GMが「赤字につながる」と嫌う赤が交じったものはなかったという。最後は森監督と小笠原2軍監督が決めた。

 「ドラゴンズらしい色にしようとなった。基本に戻るというか。その青を強調したかった」と担当者は話した。この5年間は「鉄紺」と称される黒に近い紺色。球団カラーとはかけ離れていたため、今回の大きなテーマはドラゴンズ・ブルーへの回帰だった。

 パンツは無地だが、肩の青ラインが特徴的だ。胸文字は山田久志監督、星野仙一監督、高木守道監督らの時代に用いた球団オリジナルの筆記体に戻した。いわばさまざまな強竜時代のハイブリッドだ。ビジター用は青と白を反転させたようなデザインになる。

 愛知県育ちのドラフト5位藤嶋は「落合監督のイメージ。さわやかなブルーで、好きです」と当時を思い出し、好印象。ドラフト1位の柳も「カッコいい。早くこのユニホームを着て、やりたい」と話した。

 会見に同席した森監督は、新ユニホームを着た新人に向けてあいさつした。「7人を見ると期待しちゃうんだけど、こんなチームにきてガッカリしないように、しっかり指導していかないと。あずかった以上はオヤジになったつもりで面倒見ます。楽しんでやってほしい。楽しい野球をやります」と自虐も交えながらエール。もちろん、仏を作って何とやらでは、意味がない。最下位からの大逆襲へ、新戦闘服を「名作」にする戦いが始まる。【柏原誠】

<中日ユニホームの変遷>

 ◆ドジャース 87~96年。提携していたロサンゼルス・ドジャースを模したデザイン。背番号が赤。近藤真一が初登板で無安打無得点(87年)。巨人とのV決戦「10・8」(94年)など。03年までマイナーチェンジを経て、ほぼ同モデル。

 ◆オレ竜 04~11年。落合監督の意向を色濃く反映。DRAGONSをブロック体とし、Dに中日のCを重ねるデザイン。肩の末広がりラインと脇、パンツの太いラインが特徴。基調の青以外は使わなかった。リーグ優勝4度、日本一1度。

 ◆守道竜 02~03年。ドジャースに近いデザインだが、色は黒に近い「鉄紺」に。赤が復活し、帽子のCDロゴも変わった。2位、4位。

 ◆落合-谷繁体制 14~16年。落合GM、谷繁兼任監督の新体制。赤をのぞき「鉄紺」だけのシンプルなデザイン。胸のDRAGONSを筆記体に戻したが、書体は新規。3年連続Bクラスで今季は最下位。