2年目のシーズンを迎える中日小笠原慎之介投手(19)に期待せずにはいられない。1年目の結果は2勝6敗、防御率3・36。負け越してしまったが、「勝ち負けを逆にして(勝ち星を)2倍にしたい」と12勝を宣言。チームが最下位に沈んだ今季は80年以来、36年ぶりに2桁勝利を挙げた投手が不在となった。「投手王国」の復活には小笠原の活躍が欠かせない。

 プロ初勝利を手にするまでは時間がかかったが、大きく崩れる姿を見せることは少なかった。夏の甲子園を制覇した左腕の威力ある真っすぐは、強打者相手からも空振りを奪うなど通用する。堂々と内角を突くハートも新人と思えない。15年ドラフト組の高卒ルーキーで唯一、1軍のマウンドを経験し、着実に成長している。

 11月に左肘の手術を受けたが順調に回復。年明けのキャッチボール再開が予定されている。完全復活を遂げ、先発ローテーションの一角へ-。エースの称号を背負う日も近いかもしれない。【中日担当=宮崎えり子】