【台北(台湾)28日=浜本卓也】FAで日本ハムから巨人に移籍した陽岱鋼外野手(29)が「台湾ドリーム」を実現させる。この日、台北市内で入団会見に臨んだ。約90人の報道陣の前で「台湾出身の選手なので台湾で記者会見を行うのは当然のこと。後ろの『G』の(球団旗の)前で記者会見を行えてとてもうれしい」と喜んだ。陽は19日に都内でも入団会見を行っている。

 陽の巨人入りで、台湾での巨人戦開催の夢プランが浮上する。同席した堤GMは「軽々には言えないが、せっかくこういう機会があるので(読売)グループとしてやってみたい気持ちはある」と将来的な実現に意欲を見せた。台湾での公式戦開催は02年5月のダイエー(現ソフトバンク)-オリックスだけ。巨人は3軍が来季も2年連続で遠征を行う予定で「台湾の球場事情を含め調べている最中」と話した。

 陽を通じ、台湾で巨人軍全体を浸透させる。現地でのテレビ中継は1軍戦だけでなく、2軍戦も含めて地元局と交渉中。「台湾の多くの人に陽選手と巨人軍を見てもらいたい」。巨人ブランドの認知度を高めていくことは、将来の公式戦実現の追い風にもなる。

 すべては陽の活躍にかかる。5年総額約15億円(推定)の大型契約。台湾の英雄は「1つのチームに長くいられることはうれしいこと、5年間でどういった成績を残せるかが大きなポイント」と生涯巨人への思いを口にした。巨人での輝きが続けば、さまざまな夢がかなっていく。