プレーバック日刊スポーツ! 過去の1月14日付紙面を振り返ります。2011年の1面(東京版)は日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手をダルビッシュが密着指導するというものでした。

 ◇ ◇ ◇

 有&佑の黄金タッグだ。日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)の英才教育プランが13日、浮上した。1軍スタートが内定した春季キャンプで、エースのダルビッシュ有投手(24)と「合体」させようというもの。練習メニューや行動をともにする、同じグループに配置することで、プロへの順応スピードを上げるのが狙いだ。日本トップクラス右腕の密着指導の後押しを受け、佑ちゃんが王道を突き進む。

 キャンプ1軍スタートがスピード決定してから一夜明け、夢のようなコンビ結成プランが浮上した。2月1日からのキャンプ期間中に、ダルビッシュを練習パートナーの1人にする案だ。新任の芝草投手コーチは「これから決めていくが、そういうことも含めて、いろいろと考えていきたい。ダルビッシュが間近にいれば、勉強にもなる」と明かした。

 プロのキャンプでは、実績や年齢、役割などに応じて投手陣をグループ分けし、練習メニューを効率良く消化させる手法が一般的。調整ペースの違うエースと新人投手は、本来は一緒になることは少ない。日本ハムでは例年、20人前後を4、5人のグループに分けている。斎藤佑とダルビッシュを同組に配置すれば、同じ右腕のお手本になるだけにメリットは十分。ウエートトレ、または昼食時など、エースの高い意識に長時間触れる機会が圧倒的に増える。

 ブルペンでの投球練習の時間帯が一緒であれば、それぞれがチェック可能。佑ちゃんが「まずダルビッシュ選手と話がしたい」と一目置いていた存在のパフォーマンスを、自分の目で確認できる。逆に時間を少しずらせば、互いのフォーム観察も可能だ。「(大学最後は)こぢんまりしていた印象だったけれど、もっと大きくガツンといける投手になってほしい」。そう分析していたダルビッシュが、的確に助言する材料もそろうことになる。

 今後、新人合同自主トレを順調にクリアしていけば、タッグ結成の可能性はさらに膨らみそうだ。梨田監督はすでに「ダルビッシュをかなり見習いたいということだった」と斎藤佑の希望をキャッチし、「ダルビッシュを先生として、生徒としてやってくれれば」と話していた。首脳陣で慎重に協議し、最終的に配慮してグループ分けを検討することになりそうだ

 この日も約2000人のファンに見守られた斎藤佑は、新人合同自主トレ2日目も軽めのメニューを消化した。全体練習後にはキャッチボールを“おかわり”して、最長で約60メートルの遠投を敢行。チェンジアップ、スライダーなどの変化球まで試投した。「早くこの環境に慣れられるようにしたい。ここまで疲れは特にない。(練習は)早稲田の時の方がきつかった」と、はやる気持ちを抑えられない様子。佑ちゃんが、エース哲学伝授の時を待つ。

※記録と表記は当時のもの