楽天の新人合同自主トレが9日、仙台市内のKoboパーク宮城の室内練習場でスタート。視察に訪れた梨田昌孝監督(63)は、ドラフト1位の藤平尚真投手(18=横浜)に豪華な夢プランを授けた。「二刀流でもというかね、野手でもいける感じだね。打撃は見ていないけど、グラブさばきや身のこなし方だけを見ても非常にセンスがいい」。日本ハム大谷に続く存在と、可能性を見いだした。

 二刀流プランを報道陣から伝え聞いた藤平は、目を丸くした。「えっ? でも、ピッチャーをやりたいので…。もし駄目になったら、野手でよろしくお願いいたします」。高校通算24発と打力に定評はあるが、丁重に断りを告げた。あくまで夢は投手。しかも、本物の夢も見た。「昨日、ここの球場でロッテ相手に投げている夢を見たんです。1回から投げて、9回の最終回に自己最速の155キロを出したんです。めちゃくちゃ興奮しました」。完投目前のはずだったが、結果を見る前に目を覚ましたという。

 「155キロ」は、こだわりの数字だ。「横浜で投手をしていたら(OBでソフトバンクの)松坂さんは誰にとっても憧れ。でも、いつかは超えたいと思っていた。松坂さんは高校時代に153キロを出していたので、それ以上を出したいという意味で設定した」と言う。自身の高校時代の最速は152キロにとどまったが「投げる自信はあります」と夢で終わらせるつもりはない。梨田監督の目に狂いはナシダ-。そう言われる投手になる。【栗田尚樹】