【グアム(米国)14日=為田聡史】巨人阿部慎之助内野手(37)が、17年目で初の全試合出場を目標に設定した。照りつける日差しを浴び、語気を強めた。「全試合。去年は少なかったからね。その分も試合に出たい」。昨季は右肩痛で開幕に出遅れ、自己ワーストの91試合出場だった。入団以来、常に「全試合出場」を目指してきたが、1度も達成できていない。

 「バッテリーとしての相性もあるし、年を取ってからは、疲労を考慮してもらって、週のどこかで休みの日もあった」。捕手は身体的負担の大きいこともあって、全試合グラウンドに立つことが出来なかった。

 今季は捕手から一塁に専念する。昨季、一塁で84試合に出場し、10失策を犯した反省も忘れていない。メーカーには従来より5ミリ大きいミットをオーダー。「一番の理由は安心感。たかが5ミリ、されど5ミリだね。その5ミリでアウトかセーフかが変わるかもしれないし、勝敗も変わるかもしれない」。グアムでの自主トレでも左手を収めている。「なじんできたよ。サイズも自分の感覚とも合ってきた」。“新相棒”は好感触のようだ。

 2000安打まであと83本。主軸としての役割も期待される。「打つ方は積み重ねだから。2000安打は残り5本ぐらいになったら意識する。それまでは今まで通り、チームが勝つために、1本ずつ積み重ねていきたい」。背番号10が“シーズン無休”のフル稼働でV奪回を導く覚悟だ。