「センター」試験を突破する。楽天ドラフト3位田中和基外野手(22=立大)が14日、Koboパーク宮城の新人合同自主トレで躍動。まず体力で点数を稼いだ。「脚力には自信があります」と雪の残るグラウンドのポール間走でぶっちぎる。往復約350メートルを一気に駆け抜ける練習で息がほぼ乱れない。最後の8本目を他の新人が苦しみの表情を浮かべ80秒でゴールに入る中、52秒で駆け抜けた。

 毎日がテストだ。今ドラフトでは唯一の外野手。本職は中堅だが島内、岡島、オコエ、松井稼らと外野陣は競争が激しい。大卒新人として「声でも何でも出して存在感を出していかないと。日々緊張感を持っています」と自主トレでアピールして1軍キャンプ同行をつかもうとしている。

 対策はバッチリだ。得意科目は「守備」。「全てを浅く広く。満遍なくボールを捕れる」と自慢の脚力を生かして試験範囲ならぬ守備範囲に対する自信はある。不安点があるならば背走しながらの捕球だが、「ボールから目をそらさないで捕る。頭上は越させない」と打球音などの引っかけに惑わされず、打球方向や伸びを判断する。

 学業の方も優秀だ。出身高校の西南学院は福岡県内有数の進学校。立大では法学部政治学科で専攻は「ヨーロッパ・アジアの歴史と政治」だった。指定校推薦で進学したため本物のセンター試験は受験していないが、「1軍キャンプに入れるように元気を出して頑張ります」と中堅手として2月1日の1軍入学許可を勝ち取ると意気込んだ。【島根純】