西武秋山翔吾外野手(28)が走攻守で「日本の強み」を体現する。

 静岡県内で斉藤、田代、金子一とともに自主トレ中。走力に優れるメンバーとともに、砂浜での走り込みやクロスカントリー、ベースランニングを精力的に重ねている。

 今日16日で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初戦キューバ戦までちょうど50日。これまでの侍ジャパンの世界での戦いで、印象的な場面として06年決勝キューバ戦での川崎の「神の手スライディング」や、09年決勝韓国戦での内川の好送球を挙げる。「守備、走塁は日本のチームを象徴するところでもある。その部分を確率高く、かつ積極的にやりたい」と言う。

 15日は砂浜や階段で走り込みをした上で、午後に球場に入るとまずベースランニングを行った。「実戦的な感覚は、キャンプ以降の実戦的な練習でつかむ必要がある」と言うが、他の選手と三塁を回る際のコース取りなどについて意見交換も重ねるなど、実戦を意識し細部にこだわった。田代は「純粋な走力なら他にも速い選手はいるが、実際にベースを回ると秋山さんはかなり速い」と技術の高さを強調した。

 昨年11月のメキシコ、オランダとの強化試合では中堅手で全試合先発を果たした。本大会では外野守備でも中心的な働きが求められる。「守備で渡した試合の流れはなかなかかえってこない。もともとそこを重視して野球をやってきている。勝っていて守りきるという方が難しい部分もある。そこで力になりたい。重みのある仕事」とうなずく。

 飛距離が落ちるとも言われるWBC公式球での打撃についても「自分は飛ばすことを求められているわけではないので」と不安は少ない。「飛ばない分、外野の間を抜けないこともあるかもしれないけど、外野の前に落ちてくれる可能性も同じくらいある」とみている。

 ボールの違いよりも、打撃面のカギとしてとらえているのは、未知の投手との対戦が続くこと。「球筋がわかりにくい投手も多い。きれいにとらえることより、ボールを引きつけてきたない当たりでもヒットにするとか、1球でも多く投げさせるとかが大事。自然とポイントも近くなると思う」と想定する。

 「侍ジャパンでもチームでも、目指すのは頂点」と秋山。明晰(めいせき)な頭脳、冷静さに裏打ちされた判断力も生かし、まずは侍ジャパンで世界一奪還に向けて尽力する。