日本ハムの今季のスローガンが「F-AMBITIOUS(ファンビシャス)」に決まった。16日、札幌市内の球団事務所で発表された。クラーク博士が「Boys be ambitious(少年よ、大志を抱け)」の名言を残してから140年ということもあり、ファイターズ、ファンの頭文字「F」を組み合わせてできた造語。ロゴには栗山英樹監督(55)があしらわれているという超異例のデザイン。連覇を目指す「旗印」が決まった。

 定めた指の先には、連覇という大志がある。今季のスローガン「F-AMBITIOUS(ファンビシャス)」。そのデザインロゴには、栗山監督が立っていた。チームスローガンのロゴに指揮官が登場することは、極めて異例。「これ、おかしいよね? 熊とかキツネの方がいいでしょ。シーズン途中でクビになったらどうしよう」。直前まで“出演”を拒んでいたという同監督は「絶対、選手がまねするよね」と、“いじられる”ネタになることを恐れていた。

 球団史上初の連覇を目指す今年は、クラーク博士が「Boys be ambitious(少年よ、大志を抱け)」の名言を残してから140年にあたる。大志を意味する「アンビシャス」に、ファイターズ、ファンの頭文字であるFを付け加えた造語。同監督は「連覇はできると思ってやらなければできるものではない」と力を込める。「今年はWBCで(主力が)いない。若手にもチャンス。(WBCに)選ばれた選手も、まずは世界一を取りにいってほしい。男として生まれたからには」。選手個々が大志を抱き、そこに向かわなければ夢は実現しないということを強調した。

 当初は観光名所としても有名な、クラーク像のシルエットをそのままデザインに加える案もあったというが、同監督は「文字の部分とか、権利の関係がいろいろあるんだって」。そこで球団内で浮上したのが、指揮官自らが登場する斬新なアイデアだったという。「みんなオレをバカにしてない?」。報道陣へのお披露目が終わった後も終始不満顔の栗山監督だが、チーム全員で1つの目標に向かうという強い意図を感じるデザインに仕上がっている。

 監督就任6年目。北海道開拓に大きく貢献した偉人を模した指揮官の姿を旗印に、球団の、そして球界の歴史を切り開いていく。【本間翼】