日本ハム栗山英樹監督(55)が、今季の開幕投手について2段階選抜で選定するプランを明かした。20日、千葉市内で行われた「ニッポンハムグループ展示会」で講演を実施。大本命の大谷がWBCに出場する中で、2月の春季キャンプが終了するまでに3人の候補を選出。3月以降のオープン戦での結果と、大谷の状態を見ながら、最終決断を下す。

 先が読めない状況の中で、栗山監督は大事な開幕投手選定に1つのプランを温めていた。「まずは3人くらいに言って、全員に準備させる」。指揮官の構想は大役の2段階選抜だ。2月の春季キャンプを通して、候補を3人に絞る。キャンプ終了までに「(3月31日からの)開幕3連戦(対西武、札幌ドーム)に合わせて、調整するように伝える」。候補に残った3投手をオープン戦での結果を踏まえて吟味。そこに「翔平は別枠」と、WBC出場の大谷も加わる。「3人+大谷」という4人の争いを思い描いている。

 本音では2月中に開幕投手を決定したいが、物理的な難しさがある。「WBCの決勝が終わってから1週間で開幕する。その時に翔平が、どういう状態か分からない」。本命の大谷がチームを離れることで、大役を任せる人選にも幅を持たせたい考えがある。監督就任1年目の12年は開幕12日前に斎藤に通達したが、13年以降は2月中に通達、発表してきた。今季は「今年はギリギリまで発表できないかもしれない」と、想定している。

 すでに初の開幕投手を目指すことを公言する有原や高梨らの状態や結果に加えて、2年連続で大役を任せているWBC帰りの大谷のコンディションとの比較となる。昨季に比べて約1週間遅い開幕となるだけに、「全然違う年だから」と、思考を巡らす時間には猶予もある。日本一連覇へ競争心もあおりながら、最善の選択を最後まで考え尽くす。【木下大輔】