西武時代の自分を超える。フリーエージェント(FA)権を行使して楽天に移籍した岸孝之投手(32)が21日、Koboパーク宮城で自主トレを公開し、キャリアハイを力強く宣言した。「今までは13勝が最高だった。それ以上勝って、あとは1つずつ積み重ねていければ。1年間しっかりと投げられれば自信はある」。09年と14年に挙げた13勝を上回ってみせる。

 首脳陣は、さらなる高みを求めている。梨田監督は前日20日に「則本と岸で沢村賞を争うくらいになってくれれば」と言い、この日も「出来れば、2人で25勝はしてもらいたい」と大きな期待を寄せた。星野球団副会長も「1枚加わるとチームはがらりと変わる」とうなずいた。

 キャリアハイ更新の先に最多勝、沢村賞など数々のタイトルも見えてくる。岸は「FAで来たからには、チームを勝たせる投球をしたい。多少むちゃをしてでも結果を残さないと」と目先の1勝にこだわる。楽天の本拠地、仙台市出身。「地元、ホームのチームに来た。やらなきゃいけない」と引き締めた。東北の地で、進化を遂げる。【栗田尚樹】