注目ルーキーが好発進した。ロッテのドラフト1位、佐々木千隼投手(22=桜美林大)がキャンプ初日の1日、ブルペン入り。伊東監督ら首脳陣、評論家など多くの視線を浴びながら、予定よりも13球多い63球を投げた。指揮官からは、プロでやっていけると合格点をもらった。

 予定の球数を終えても、佐々木は動きを止めなかった。座った吉田に右打者の外角へ構えてもらうよう伝えた。「あまり納得いってなかったので」と投げ続けた。結局63球。座った捕手へ投げた球数は、この日、ブルペン入りした1軍投手18人の中で最も多かった。

 午後0時40分。ブルペンに足を踏み入れた瞬間、伊東監督ら首脳陣、評論家、報道陣、ファンと多くの視線を集めた。「力が入ってしまった。(周りを)意識しないようにと意識してしまった」と反省したが、周囲には緊張を感じさせなかった。全体的に低めに集め、シンカー、フォーク、スライダー、シュートと変化球も上々。吉田は「低めの直球は伸びていた」。さらに「新人だけど自分のペースで堂々と投げていた」と評価した。約20分で63球だから、1球約20秒。視線にあおられて投げ急ぐことなく、投げたい分を投げた。

 グラウンドを離れても自分のペースを持つ。同じ新人で同い年の宗接唯人捕手(22=亜大)は「一緒に出かける約束をして、約束の時間に寮の部屋に行ったら、まだ準備してなかった」と苦笑いで明かした。もちろん、同期の気安さゆえ。この日は、宗接と一緒に1軍のチームバスに一番乗り。先輩たちを待たせることなく、出発30分前には宿舎ロビーで待っていた。

 伊東監督は「プロの投手として、やれそうだなと。球が高めに来ないのは、長打が少ないということ。球種も豊富。投球術に期待したい」と楽しみを隠さなかった。佐々木は「まだ流れがつかめません」と正直に打ち明けたが、周囲は高評価。まずは好スタートの初日だった。【古川真弥】