DeNAの「小さな大魔神」こと山崎康が、大きく投球の幅を広げる。宜野湾キャンプ第1クールでは4日間すべてブルペンで投げた。プロ入り後のキャンプでは初めてで「1年間投げ切る体力をつけたい」と4日で204球。昨年8月に4試合連続失点を喫し、防御率1点台から一時4点台まで落とした失敗を繰り返さない。スロー調整だった昨季キャンプとは打って変わって初日から連投した。

 昨季ほとんど投げなかったスライダーを新たな武器にするため、本格的に取り組んでいる。「精度を上げていかないといけない。打者を翻弄(ほんろう)するには必要不可欠」と、まだ納得はしていないが手応えはある。変化球はほぼツーシームだけだった配球の幅も広がる。女房役の戸柱も「1つ球種が増えるだけでだいぶ変わる。僕も引き出しが増える」と、バッテリーでレベルアップする。

 新外国人のパットンとの守護神争いが、発奮材料になっている。ラミレス監督は今キャンプの実戦では2人を交互に抑えとして起用する方針。山崎康は「競争している思いは強い。なんとかクローザーとして試合を最後に締めたい」と、2年連続40セーブのプライドを見せる。【栗田成芳】