ぶっ倒れるまでバットを振り込む! 楽天福田将儀外野手(24)が、第2クールに入ってもがむしゃらにボールを打ち続けている。早朝練習や居残りでのマシン打撃では休みなく振り込む。春季キャンプでのスイング量はチームでも随一を誇る。「とにかく振る量を意識しています。数は決めずにとにかく振る。けがをしてしまったら、そこまでの選手ということ。自分はけがをしないように調整してとか、そういう立場の選手じゃない。セーブして練習したくない」と目をぎらつかせた。

 福田を駆り立てるのは悔しさにほかならない。昨季は開幕1軍を勝ち取り、4月はスタメンとして結果も残した。ところが、5月から快音は消え、6月に入ると2軍落ち。ソフトバンク松田の代名詞「ケンケン打法」を参考にするなど、試行錯誤を繰り返しながら復調を図ったが、1軍に昇格することなくシーズンを終えた。「悔しさしかありませんでした。その気持ちを忘れたくないから、バットを振るしかないんです」。悲壮感が福田を変えた。

 今季は背水の陣で臨む。「大卒で取ってもらったのに、3年も結果を出せないとなると『本気でヤバイ』と思っています。危機感はもちろんあります」。誰よりも練習量をこなしても「まだまだ」と自らで尻をたたく。そして、キャンプでの過酷な日々を自信に変えると、福田は約束する。「今年は期待してくださいよ!」。その覚悟を、結果で示す。【田口元義】