【ピオリア(米アリゾナ州)6日(日本時間7日)=本間翼、木下大輔】日本ハムの新外国人、エドウィン・エスコバー投手(24=ダイヤモンドバックス)が、大谷の指南役に名乗りを上げた。初めてブルペンに入り、49球を披露。開幕ローテーション入りを期待する栗山英樹監督(55)を安心させた。ベネズエラ出身の左腕は、クラブハウスのロッカーが近い大谷に、スペイン語を教えていることを明かした。近い将来メジャーに挑戦することが濃厚な大谷の貴重な“先生”になりそうだ。

 独特なフォームから、微妙に揺れ動く直球が投げ込まれた。新外国人のエスコバーが、キャンプ第2クール初日に初めてのブルペン入り。日本の統一球を確かめながらの49球に「握った感じひとまわり小さく、縫い目も浅い」と違いも感じたが、「野球は世界中どこでも一緒。状態はよかった」と満足そうに振り返った。

 首脳陣の評価が高かったのは、ボールはもちろん、フィールディングなどの身のこなし。この日も投内連係をそつなくこなし、ブルペンでのクイック投球も、外国人投手にありがちな緩慢な動きは見られなかった。栗山監督は「野球がうまい。余計な心配はいらない」と安心した。

 チームにも少しずつ溶け込んできた。クラブハウスでロッカーが近い大谷には、母国ベネズエラの公用語であるスペイン語を教えているという。「『これは何て言うの?』と聞いてくるので教えてあげて、自分は日本語を教えてもらっています」。早ければ今オフにもメジャー移籍の可能性がある大谷。現在、メジャーはベネズエラのほか、ドミニカ共和国、プエルトリコ、メキシコなど、スペイン語を話す国の選手の割合が多くなっており、海を渡った際に役立つことは間違いない。

 今オフにインディアンス移籍を経て日本球界への挑戦を決めた。父のホセ・エスコバー氏はメジャー経験のある元内野手で、ロイヤルズの正遊撃手アルシデス・エスコバーはいとこという、野球人家系。父には「自分の力を発揮すれば、必ず成功する」と送り出されたという。実戦登板は沖縄・名護での2次キャンプ以降になる見込み。「試合までにしっかり準備したい」。日本一の先発投手陣に、楽しみな新戦力が加入した。

 ◆日本ハム外国人選手の言語事情 米テキサス州出身のマーティン、メキシコ系米国人のレアードは英語を使う。メキシコ出身のメンドーサは母国語がスペイン語で、大リーグ在籍時に英語を習得した。