失敗のススメだ。中日ドラフト1位柳裕也投手(22=明大)が9日、恩師から新人王へのポイントを伝授された。明大善波達也監督(54)が北谷キャンプを訪問。新人王への期待をかけ、失敗の経験が成長につながると断言した。

 優等生のイメージがある柳だが、恩師は失敗を糧にしてきた過去を知っている。「下級生のころは、よく本塁打を打たれていた。どうすれば打たれないかを考え成長してきた。この時期はいっぱい打たれていい。いいも悪いも肥やしにして重ねていけばいい。あいつは修正能力がある。(広島)野村もそうだった。そこが持ち味でもある」

 体が大きいわけでも、特段速い球を投げるわけでもない。それでも東京6大学リーグで通算23勝、歴代8位の338奪三振。大学日本代表のエースを務めるまでに上り詰めた。

 39球のブルペン投球を見守り「力みもなく、順調そう。野村、高山のように新人王を取ってくれるのでは」と目を細めた。明大出身で新人王を獲得した広島野村、阪神高山に続くタイトルの確信を強めた。実際、柳も「普段通りでした」とスペシャルゲストを前にしても自分を貫いていた。

 柳は今日10日、初のシート打撃登板に臨む。「打者をしっかり抑えることを意識したい。プロを相手に(実戦形式で)投げるのは初めて。これから争いが激しくなるので、必死に結果を出していきたい」。本格サバイバルを前にした柳はまだ“失敗”するイメージは描いていない。【柏原誠】