星野の大予言! 楽天の星野仙一副会長(70)が14日、阪神・宜野座キャンプを表敬訪問した。約1時間にわたって金本監督を激励。笑顔いっぱいの星野副会長は、右膝の故障で別メニュー調整が続く糸井について、「首位打者争いする」などと“予言”を連発。楽天の要職にありながらも古巣愛を爆発させ、金本阪神に熱いエールを送った。

 12日に久米島から移動した楽天に合わせ、星野副会長も13日に沖縄本島入りした。この日は楽天2次キャンプ地の金武(きん)で練習試合が行われていたが、先に阪神の宜野座キャンプを訪問。約1時間にわたって金本監督を激励した。

 強調したのは、右膝関節炎で出遅れが心配される糸井についてだ。昨季までオリックスに所属していた糸井。楽天の指揮官としてフロントとして、その力を知るだけに言葉を強めた。

 「ケガさえなきゃ首位打者争いするだろう。あれだけの打者はいない。センスが良いし、緩いボールを打つのがうまいからな。ずばぬけてる。パ・リーグよりセ・リーグの方がより打つんじゃないか。来年ぐらいは、糸井と高山が首位打者争いをするぐらいになると思うけどな」

 17年はおろか、18年の首位打者争いまで口にしてキーマンである糸井を絶賛して予言した。もちろんリップサービスの面もあるが、そこは闘将。勝負師ならではの見立てもある。

 「(開幕に)合わせているからな。どこでギアを入れたらいいかを分かっているんだ。開幕から逆算して(調整を)できるから。若い選手はそれができない。心配はしてないよ」

 昨季までを見ても、糸井はキャンプを別メニューで過ごしてもシーズンを元気に過ごしたことがある。そのあたりを十分理解した上での発言だ。

 もちろん糸井だけではない。昨季、金本監督が懸命に起用した北條、高山、中谷といった若手選手の活躍についても目を細めた。

 「若い選手も力をつけてきているな。ウチ(楽天)の選手もこれぐらい振ればいいのにな、と思ってるよ。高山もそうだけど中谷とか北條とかな。北條なんていいツラ構えしてるやないか。やんちゃそうでな。ああいうのがいないといかん。阪神はひねくれたようなツラ構えのは、ようけ、おったけどな(笑い)」

 最後は「投手陣が切り抜けられれば阪神は優勝争いするよ」とキッパリ。かつて歓喜の18年ぶりリーグ優勝に導いた古巣に、闘将流の熱いエールを送った。【編集委員・高原寿夫】