5回はわずか11球で3者凡退。最後もこの日最速の142キロツーシームで空振り三振を奪った。「ブルペンではよくても、試合に入ると力んでしまったりする」。アリゾナから沖縄への気候の変化で、ボールの曲がり具合にも違いはある。すべてに満足はしていないが、それでも2回1安打で自責点0。「自分の中では整理して、少しずつ前に進んでいると思う」と手応えもある。

 大谷の復帰時期が不透明な先発ローテーションとはいえ、有原、高梨やメンドーサ、エスコバーの両外国人、さらに新戦力の村田や2年目加藤ら、争いは激しい。栗山監督は、ツーシームで新たな覚悟を見せる斎藤に「この感じだったらいけるんじゃないか」と評価。開幕ローテについても「(いい意味で)この時期にこんなに苦しむと思わなかった」と、うれしい悩みを抱えている。

 実戦2試合、4イニングに登板し自責点は0。斎藤は「何度も言っていますが、結果を出していくしかない。たくさんチャンスをもらえるわけではない」。連覇を狙う日本ハムの投手陣。昨季未勝利の斎藤の充実は、チームの大きな戦力になる。【本間翼】

 ◆日本ハムの開幕ローテーション争い エース大谷が右足首痛で、野手での開幕を目指しているが3年連続の開幕投手は絶望視されている現状。昨季チーム最多11勝の有原、新人王獲得の高梨を中心に来日4年目のメンドーサ、新外国人左腕エスコバーが有力視される。ほか、2年目加藤、米球界帰りの村田、復活を目指す上沢、浦野、背番号変更の斎藤、ブレーク候補の石川直らが争っている。