先発ローテ入りへ、強烈アピールだ。阪神秋山拓巳投手(25)が16日、韓国・サムスンとの練習試合(宜野座)に2番手で登板。4回1安打無失点と圧倒的な投球をみせた。前回11日紅白戦でも好投しており、首脳陣も高評価。いまだ定まっていない先発ローテーション5、6番手争いで、頭1つ抜け出した。

 188センチ、98キロ。大柄な体格からは予想もつかない小気味の良い投球で、秋山は次々と打者を料理していった。ストライクゾーンの四隅をどんどん突いていき、4回を1安打無失点。まったく危なげない投球で、背番号46は韓国・サムスン打線を完封した。

 秋山 前回ほど調子は良くなかったけど、外と内を投げきりながら、打者とも駆け引きしながらカウントを作れた。打者もいろいろ考えてくれたと思います。

 最速は146キロを計測した。3イニングの予定だったが、そこまで球数も34球と少なかったこともあり、香田投手コーチが続投を打診。秋山も「もちろんいきます」と即答。4イニング目のマウンドに向かった。

 前回11日紅白戦でも2回を無安打無失点。2試合続けての好投に首脳陣の評価もうなぎ上りだ。金本監督は「先発5番手、6番手には近くなっている。去年の秋からずっといい。自信があるから落ち着いているように見えるんでしょう。経験もある」と高評価。香田投手コーチも「今年はやるんだという意気込みをすごく感じる。5、6番手を目指してほしい。それに近いボールを投げているし、継続してほしい」。激しい先発ローテ5、6番手争いから頭1つ抜け出た存在であることをそれぞれ口にした。

 他球団007も背番号46に警戒を強める。中日佐藤スコアラーが「先発5、6番手に入ってくる力はある。真っすぐに力がある」と話せば、広島玉山スコアラーは「すごく良かった。緩急も使えてるし(攻略は)難しいんじゃないか。5、6番手に一番近いと思う」と評した。

 秋山 とにかく開幕ローテに入って、1年戦い抜くことを目標にやっている。疲れがたまってくる時期だけど、人より多く練習して納得いく形をとりたい。

 高卒1年目の10年に4勝を挙げる活躍。先発ローテ定着を期待されたが、昨年までの6年間でわずか2勝止まりだった。復活を期す今季は並々ならぬ意気込みで臨んでいる。俺を忘れるな-。そう言わんばかりに秋山が猛アピールを続けている。【梶本長之】

 ◆阪神の先発ローテーション5、6番手争い 秋山に加えて変則右腕青柳、ベテラン左腕岩田、3年目左腕横山、ドラフト2位右腕小野らが2枠を争う様相。現状で昨季4勝を挙げた青柳がローテ5番手最有力。6番手を巡って4人を軸とした争いとなっている。