3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの日本ハム増井浩俊投手(32)が、世界のマウンドで戦う手応えを得た。18日、沖縄・国頭で行われたチームの紅白戦で、4回に紅組の3番手として登板。WBC球を使用し、3者凡退に抑えた。本番に向けて順調な仕上がりを見せた。

 増井が、滑りやすいとされるWBC球を無難に操った。待ち望んだ今季初の実戦マウンド。4回、白組の5番大田を初球で右飛に仕留め、6番大野を遊ゴロ。7番大嶋にはスライダーで空振りを誘い、投ゴロで締めた。「ここまで調整してきたことが出せた。これくらい本番でも投げられればいいな」と、うなずいた。

 自信を手にした。カーブ、チェンジアップ、スライダーを織り交ぜた。「変化球もしっかり低めに決まって、ストレートでも勝負できたので良かった」。変化球を意識するようになったのは昨季、先発に転向してから。シーズン自己最多10勝を挙げて結果を残したスタイルを貫く。

 対策は手の先にまで及ぶ。「手が乾燥すると滑る」と保湿を心掛けている。冬の寝る前に1度塗っていたハンドクリームを3度に増やし、こまめに潤いを与えている。世界での戦いで納得の投球を見せるための努力を惜しまない。

 ハイペース調整への不安は吹き飛んだ。例年より早い1月からブルペン入りし準備を進めてきた。「初の実戦にしては質の高いパフォーマンスだったと思う。早めに調整してきた結果。ここまで順調」。この日の登板は、23日に宮崎で始まる侍ジャパン強化合宿前の、最初で最後の実戦となる可能性が高い。つかんだ手応えとともに向かう。【保坂果那】