今年の鷹は走る! ソフトバンクが19日、7回制の紅白戦を行い、両軍合わせて12盗塁を決めた。のべ14回スタートを切り、12回成功。バッテリーにはボールを外してはいけないという制限があったが、それを差し引いても驚異の足攻めを展開した。V奪回にむけ、盗塁を増やすことで得点力をさらに高めることが狙い。開幕までに相手チームにも「走る鷹」の印象を植え付けていく。

 目指すゴールは、V奪還だ。俊足ぞろいのソフトバンクナインが次々と、先の塁を狙って走り続けた。今キャンプ3度目の紅白戦で、7回までに14度、盗塁を企図し12盗塁を決めた。

 達川ヘッドコーチ 今年はどんどん走るのがテーマ。とにかく3球以内にいこうと言っている。今日はよかったと思う。

 紅組の3回2死一、三塁で、一塁走者の明石が二盗。捕手の二塁送球を受け、三塁走者の今宮がすかさず本塁を陥れ、重盗に成功した。4回2死二塁では牧原が三塁にスタートを切り、張本の二塁への打球の間に本塁に生還(記録は二安)。盗塁はつかなかったが、積極的な走塁が得点を呼ぶシーンもあった。

 昨季のチーム盗塁数は日本ハムの132に次ぐリーグ2位の107。今季150盗塁をノルマに掲げる村松コーチは「初球からどんどんスタートを切って、二盗、三盗できるようにしたい。投球がワンバウンドした時も反応できるようになってくれれば。スチールだけでなく、どんどん先の塁への意識を高めていきたい」と、意識改革を促す。

 他球団スコアラーに、走る印象を植え付けておきたい狙いもあった。屈指の俊足福田は「ワンバウンドした時にスタートを切るのは当然。偽装スタートをしてからでもワンバウンドに対応して盗塁できるようにしていきたい」と、ハイレベルな走塁を理想に掲げる。

 相手バッテリーが盗塁を警戒すれば、フォークなどワンバウンドする可能性がある変化球を投げにくくなるなど、打者にとってもメリットは大きい。強力打線に足を絡めた攻撃を定着させ、得点力アップを目指していく。【福岡吉央】