阪神上本は虎視眈々(たんたん)と二塁レギュラー奪取を狙っている。ここまで実戦計11打数3安打。2年目の板山やドラフト5位糸原健斗(24=JX-ENEOS)らの陰に隠れているが、今季から付ける背番号00のユニホームを泥で汚しながら、地道に鍛錬を積んでいる。

 「背番号の変更は…自分から言いました。ずっと4番を付けさせてもらって、成績が出ていなかったので。自分は弱い人間だから、まずは背番号を変えようと思ったんです。本当は今も4番を付けたいですよ。でも、このままでは何も変われない。パッと見ればいやでも変わらないといけないと気付けるように、番号を変えたんです」

 昨季終了後、球団側に申し出た。広陵高、早大で背負ってきた4番に愛着はあったが、自分を変えたい一心で代名詞の番号に別れを告げた。「小さいころから続けてきた野球ですから。後悔なく終わるのは無理だということぐらい分かっています。ただ、その後悔の数をなるべく少なくしたいので」。21日もフリー打撃では黙々と鋭い当たりを放ち続けた。30歳。激しさが増している二塁バトルの中、1歩も引くつもりはない。【佐井陽介】